2014/06/28
「デュフィ展 絵筆が奏でる 色彩のメロディー」 @Bunkamura ザ・ミュージアム
Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「デュフィ展」。
金曜日と土曜日は時間を延長しているので、金曜日の仕事帰りに行ってみました。
サブタイトルが「絵筆が奏でる 色彩のメロディー」だったので、ラウル・デュフィによる音楽をモチーフにした作品がたくさん展示されているのかと思いきや、回顧展形式で年代を追ってさまざまな作品を展示していました。
初期の頃の作品から順に見ていくと、その色合いや表現手法などが他の画家の影響を受けていたり、環境によって変わっていく様子が見てとれました。
テキスタイル作品やデザイン画も、わりとまとまった数が展示されていました。
今まで画廊の展示を含めて何度かラウル・デュフィの展覧会に行っていますが、版画作品をこれだけの数まとめて見たのは今回が初めてかも。
絵画以外のジャンルに携わることによって得た表現方法は、しっかりデュフィ自身のスタイルに吸収されていっているのだな~と感心したり。
私の好きな音楽にまつわる作品のシリーズや水彩作品は全体的に少なかったけど、今まであまり目にすることがなかった作品を見ることも出来てよかったと思い、ポストカードを何枚かと久々に図録まで購入してしまいました。
さて、チラシに使われている「ヴァイオリンのある静物:バッハへのオマージュ」は、赤をメインとした色彩が印象的で、私の好きなタイプの作品でもあります。
他のパターンとして、「馬に乗ったケスラー家」を掲載しているチラシもありまして。
このチラシを初めて見たとき、「どうしてこの絵なんだろう?」と思ったのですが、会場で実物を見ると「いい絵じゃないか・・・」と、しばし眺めてしまうのでした。配置とか色のバランスが絶妙なんですね。
この作品は高さ約2m×幅約2.7mの大作でして、チラシなどに掲載されている画像よりも、実物を間近で見る方が断然良いと思いました。ラウル・デュフィの代表作のひとつと言われているのもわかる気がします。
その他にもチラシには「クロード・ドビュッシーへのオマージュ」のバージョンもあったらしいのですが、残念ながら私は見かけなかったので入手出来ず・・・。(ネット上で見かけたのだけど、いつ頃配布されていたものなのだろう?)
さて、ラウル・デュフィの作品と言えば、テレビの美術番組などでも取り上げられたこともあるので、「電気の精」を思い浮かべる人も多いと思います。今回はパリ国立近代美術館・ポンピドゥーセンター所蔵の縮小版が展示されていました。
確か私が以前見たのは、おかざき世界子ども美術博物館所蔵のムルロー工房による10分の1縮小バージョンだったと思うけど、今回展示されていたパリ国立近代美術館所蔵の「電気の精」は、全体的に色彩が明るく描かれた線が比較的クリアな印象でした。(気のせい?)
ほかにも印象に残った作品はたくさんあって、いろいろ書きたいところですが、とりとめもキリもなくなるのでやめておきます。
そういえば鎌倉にある大谷記念美術館もデュフィ作品を多数所有しているのですが、残念ながら現在は閉館中。今ではなかなかお目にかかれない作品たちの中から、今回のデュフィ展へも作品を貸出ししていました。
Bunkamuraの会場へは「花のある自画像」、 「庭園」、 「コンサート」の3作品。
公式サイトによると、私の好きな「黄色いコンソール」は名古屋へ行ってしまったようです。
デュフィの作品を見ていると、その色彩感覚はシャガールやマティスの作品などとも通じるものを感じるけど、デュフィはあくまでデュフィ。
軽やかで鮮やかで透明感のある「色彩の魔術師」の色づかいは、見る者を魅了しますね。
●Bunkamura 25周年特別企画 「デュフィ展 絵筆が奏でる 色彩のメロディー」
【期 間】2014年6月7日(土)~2014年7月27日(日)*7/2(水)のみ休館
【時 間】10:00~19:00(入館は18:30まで)/毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
【会 場】Bunkamura ザ・ミュージアム
【特集サイト】http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/14_dufy/
【公式サイト】http://event.chunichi.co.jp/dufy/