2015年3月25日より、国立新美術館にて「マグリット展」が開催されます。
国内で「マグリット展」が開催されるのは実に13年ぶりとのこと。
その13年前(2002年)はBunkamura ザ・ミュージアムでの開催でしたが、
私も行っていたので当時のチラシなどと共にちょっと振り返ってみようかと。
結論を先に書くと、良い展覧会でした。図録も購入しました。
その時のチラシもありますが、使われた作品は「アルンハイムの領地」。
図録に掲載されていたあいさつ文を借りると、この時の「マグリット展」はベルギー王立美術館の監修を得て、日本初公開52点を含む約90点の作品が展示された本格的な回顧展でした。
チラシ裏には、「赤いモデル」や「白紙委任状」などよく見かける作品が。
マグリット作品の中でも比較的知られていると思われる「大家族」は、残念ながら名古屋のみの展示だったけど。
そしてマグリット作品の中で好きだと挙げる人も多いであろう「光の帝国」も展示。
1961年の作品で、図録の表紙にも使われました。 (部分ですが)
でも会場でこの「光の帝国」を見た時に、私が学生時代から知っている「光の帝国」となんか違うような気がするな~と思ったものです。
その答えは図録の中の解説により判明。
マグリットの「光の帝国」という作品は実に22パターンもあるそうで、私の脳内にインプットされていた「光の帝国」はどうやら1954年のものらしいのです。(持っていたポストカードの裏面を見て制作年がわかりました)
手持ちのポストカードにあった1952年と1954年の「光の帝国」を並べてみました。
右側の大きな木がある方が、私が最初に見たと思われる「光の帝国」(1954)。
何が特徴なのかというと、建物の前が道路ではなく、川か池か湖かわからないけど水面になっていて、鏡のように灯りが映っているのです。
ちなみにこれから開催される国立新美術館で展示されるのは「光の帝国Ⅱ」(1950)。
現在のチラシはオジサンがたくさん浮いている「ゴルコンダ」に変わっていますが、最初の頃はその「光の帝国Ⅱ」(部分)がチラシに使われていました。
左側の屋根に、わりと大きめの四角い部分があるのが特徴かな。
マグリット展は13年前より以前にも何度か開催されているようなので、もしかしたら過去のそれらの会場でも「光の帝国」が展示されていたら、そのたびに違った年代の作品だったかもしれないな~などと思ったり。
そんな「光の帝国」は、見てのとおり空は青く広がった昼間の明るさなのに、その下の風景は夜の闇に覆われていて、街灯が静かに灯っているというものですが、その逆の作品もマグリットは描いているのです。
それは夜空の下に明るい庭と建物がある作品で、日本語では「神のサロン」もしくは「神の客間」というタイトルで、制作年は1948年となっています。(興味のある方は各自で検索してみてくださいね)
願わくば今回の国立新美術館での「マグリット展」で、「光の帝国」と「神のサロン」が一緒に展示されないかな~と思ってしまいます。何せ130点も展示されるというのだから、ちょっとだけ期待・・・ということで。
だまし絵とかシュルレアリスムなどの展示は人気があるので、「マグリット展」もかなりの混雑が予想されます。
が、絶対行きます。前売券はすでに確保済み。図録も多分買うでしょう。
内容によっては当日料金を払っても、リピートしてしまうかもしれません。
※後日、マグリット展に行った記事はこちら
⇒「マグリット展」@国立新美術館(2015/04/22)
というわけで、最後は2002年のマグリット展のチケットでお別れです。
使われている作品は「帰還」(1940)、チラシ表の作品とは鳥&卵つながりですね。
●不思議空間へ「マグリット展」
期 間: 2002年7月6日(土)~2002年8月25日(日)
場 所: Bunkamura ザ・ミュージアム
●「マグリット展」
期 間: 2015年3月25日(水)~2015年6月29日(月)
場 所: 国立新美術館
公式サイト:http://magritte2015.jp/